川越・広済寺

川越にある「広済寺(こうさいじ)」は、市民から「どっこい喜多町広済寺」とも呼ばれ親しまれており、「あごなし地蔵」や「しゃぶきばあちゃん」など様々な見どころがあります。

川越の観光街からはすこし外れた場所にあり、静かで穏やかな雰囲気の中でじっくりと参拝できるお寺です。

そこでこの記事では、広済寺の歴史・見どころ・駐車場・アクセス方法などについて紹介をします。これから小江戸川越に観光へ行く予定がある人は是非参考にしてみてください。

広済寺:施設概要

川越・広済寺

広済寺は、蔵造りの街並みをまっすぐ北上し、左に曲がった場所にあります。

川越・広済寺

蔵造りの町並みからは徒歩7分~10分程度と少し歩きますが、メイン通りの賑やかさに疲れてしまった……という時にはぜひ訪れてほしい場所です。

お寺の中にトイレが設置されているのも嬉しいポイントです。

詳しくは記事内でご紹介しています。

広済寺の歴史

広済寺は室町時代の1548年、武将の大道寺駿河守政繁により建立されました。

大道寺駿河守政繁は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、川越城の城代を努めていた人物です。

川越・広済寺

1546年の川越夜戦で河越城主北条綱成を助け、上杉・足利連合軍を破るのに活躍し、北条綱成に代わり川越城主となり、曹洞宗のお寺として建てられています。

この建物は享保年間(1716~1735年)の火事で焼けた後に、黙元和尚が再興したものです。

また、広済寺には昔から天狗の伝説が残っています。町が火事になると、天狗が現れ持っている羽うちわで扇ぎ、火の手から守ったと伝えられているのです。

 

広済寺の見どころ

境内の門

広済寺には川越の町が大火事になろうとした時、天狗がうちわで風向きを変えて火災から守ったという伝説があることから、門には天狗のうちわと獅子が刻まれています。

山門

広済寺の山門

広済寺の山門はかなり年季が入っており、歴史を感じます。

金毘羅堂

広済寺 金毘羅堂

山門をくぐると左側には金毘羅堂という建物があります。

金毘羅堂は本殿・拝殿・幣殿を連結した神社社殿で、川越市指定有形文化財に指定されています。

本堂

広済寺 本堂

本堂は、寄棟造・桟瓦葺の風格ある建物で、中を見学することは出来ませんが、歴史を感じさせる建物は外だけでも見応えがあります。

本堂の一番の見どころは彫り物で、建物に彫り込まれている龍が生きているような迫力を持っており、今にも飛び出してきそうです。

中島孝昌墓

広済寺 中島孝昌墓

広済寺には、県指定旧跡の中島孝昌墓があります。

中島孝昌は川越鍛冶町の名主役をつとめ、和歌や俳諧においても名を残した人物です。

広済寺にあるお墓には、「消えてこそ まことなりけり 雪仏」という辞世の句が刻まれています。

墓地には目立つ印などは無いため少し分かりにくいですが、お墓の敷地の真ん中の方に柵で囲まれた場所があるので、その中に入りましょう。お墓の右隣には「中島孝昌墓」と書かれた標があります。

広済寺のお地蔵さま

広済寺のお地蔵さまのご利益

山門をくぐった右側に、「しゃぶきばあちゃん」と「あごなし地蔵」という2体のお地蔵さまがあります。

広済寺に訪れた際には絶対にチェックしてほしいスポットです。

しゃぶきばあちゃん

しゃぶきばあちゃん

まずは喉にご利益のあるお地蔵さまの「しゃぶきばあちゃん」です。

「しゃぶきばあちゃん」は咳や喘息に悩む方にご利益があるとされています。

「しゃぶき」とは「しわぶき」が訛った言い方で、「しわぶき」とは古い言葉で「咳」のことです。

願掛け方法は

  1. 縄で石仏を縛る
  2. 願いが叶ったら縄を解く
  3. お礼にお茶や金平糖などを供える

となっています。

しゃぶきばあちゃん

実際にしゃぶきばあちゃんを見てみると、たくさんの縄がかけられていました。

あごなし地蔵

続いては「あごなし地蔵」という歯にご利益のあるお地蔵さまです。

その名のとおりあごが無く、むし歯や歯痛で困っている人がお参りすると霊験があるされています。

あごなし地蔵

あごがないから歯がない→歯がないから歯痛がない→歯痛に苦しむ人がここに来て祈願すれば、歯痛が治るというものです。

歯痛が治ったらヤナギの枝で作った楊枝を奉納していたそうです。

広済寺のお守り・御朱印

広済寺に訪れた際にお守りや御朱印の受付を探してみましたが見つかりませんでした。

広済寺では授与品を取り扱っていないという口コミも見かけましたので、正確な情報を知りたい方はお寺に直接連絡をしてみてください。

広済寺のトイレ

広済寺 トイレ

広済寺の境内にはお手洗いがあります。

広済寺のアクセス・駐車場

広済寺のアクセス

  • 西武新宿線「本川越駅」徒歩19分
  • 東武東上線・JR埼京線「川越駅」徒歩31分
  • バス停「E15:菓子屋横丁」徒歩6分

広済寺は各駅から離れていますので、バスや車の利用がおすすめです。

広済寺 駐車場

広済寺の門の横を通ると、左右に無料駐車場があります。

平日は空いていますが、休日、特に年末年始は特に混雑しますので注意しましょう。

まとめ

川越の蔵造りの街並を北上して札の辻を過ぎると、賑やかな商店街から静かな雰囲気の街に変わります。

そんな通りにひっそりと佇む広済寺は観光客が少なくマイナーなスポットにも思えますが、室町時代である1548年に創建された歴史のあるお寺です。

歴史を感じさせる本堂は迫力のある彫り物が見応えあり、あごなし地蔵としゃぶきばあちゃんという変わったお地蔵さまも注目されています。

観光客が少なく、境内がとても広いのでのんびりと落ち着いて観光したい人にも良い場所です。ぜひ一度参拝してみてください。

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広済寺:各種情報

施設情報 広済寺
住所 〒350-0061 埼玉県川越市喜多町5-1
電話番号 049-222-0105
料金 拝観無料
営業時間 不明
営業期間 不明
駐車場 無料