養寿院

曹洞宗 青龍山 養寿院は、川越にある曹洞宗のお寺です。

養寿院は市指定文化財や国指定重要文化財を所有しており、数々の見どころがあります。

この記事では、実際に養寿院を参拝したときの体験をもとに、養寿院の歴史・見どころ・アクセス方法・駐車場などについて詳しく解説しています。

養寿院の歴史

川越 養寿院

養寿院は寛元2年(1244年)、河越太郎重頼の曾孫である河越経重を資主として大阿闍梨圓慶法印によって開山され、寛元年間に天台宗から曹洞宗に改宗されています。

河越太郎重頼の子孫が寺院の創建に尽力し、歴代の川越城主が尊崇しているお寺です。

以前は曹洞宗の修行を行う道場として使われていたこともあり、由緒あるお寺ということが分かります。

養寿院の見どころ

本堂

川越 養寿院

養寿院の本堂は拝観不可になっています。

門の左側に浄財入れがありますので、そこにお賽銭を入れます。

本堂には、河越経重が新日吉山王社に寄進した銅鐘(国指定重要文化財工芸品)が保存されています。

この銅鐘の鋳物師は、あの「鎌倉の大仏」を作った丹治久友の作というので驚きですね。

また、銅鐘の「池の間」に刻まれた"河越"の文字は、川越の歴史上たいへん価値の高いものであるといわれています。

河越太郎重頼の墓

河越太郎重頼の墓

養寿院には河越太郎重頼の墓があります。

場所は通常の墓地の中ではなく、本堂の左側です。少し階段を登った場所に五輪の塔があり、河越太郎重頼の墓として養寿院に伝わっています。

河越氏は、坂東八平氏(関東地方の8豪族)のうちの一つである秩父氏の出で、 重頼の祖父・重隆の代に川越に進出し、「河越氏」を名乗りました。

また、河越氏は源頼朝とも関係がある家です。

源頼朝が挙兵した当時は敵対していましたが、重頼の妻が頼朝の乳母・比企禅尼(ひきぜんに)の娘であったことで結果的に頼朝方につくことになります。

その後源頼朝は平氏を追討し、河越氏は鎌倉幕府の樹立に尽力しました。

重頼の娘は義経の正妻に選ばれて京都に入りますが、次第に頼朝と義経の関係が悪くなり、重頼は誅殺されて所領は没収されてしまったと伝えられています。

市指定史跡:横田家の墓

市指定史跡:横田家の墓

横田家は、江戸時代後期~明治初期の川越を代表する大商人です。

その横田家のお墓23基が残されており、川越市指定の史跡となっています。

市の指定となっているお墓は23基のうち、

  • 七代:昌林榮繁居士
  • 八代:昌翁壽繁居士
  • 九代:東大院等一三壽居士
  • 十代:傳心院無相綾衣居士
  • 十一代:興泰院天涯日譽居士

です。

このお墓は初代から順番に建てられているわけではないそうなので、時間がある際はじっくりと見てみてください。

市指定史跡:岩田彦介墓

市指定史跡:横田家の墓

岩田彦介は、 川越城主の秋元喬知(たかとも)の家臣として知られる人物です。享保19年5月18日、77歳で亡くなりました。

諱(いみな)を和衷(かずよし)、字(あざな)を協恭(きょうきょう)または広甫(こうほ)と称し、寅斉(いんさい)と号したと記されています。

岩田彦介はとても才覚のある人物で、城代家老を務めるかたわら殖産開発に尽力したそうです。

その才知は、「秋元に過ぎたるものが二つあり、無の字の槍と岩田彦介」という言葉で称されたほど。

徳川家康から拝領した名槍と並べられるほど、知性と才能に溢れた人物であるという意味です。

そんな岩田彦介のお墓は形儒葬で、この時代としては珍しい形式であるといわれています。

お墓には「寅斉家君之墓」とあり、法名は「寅斉練岳通心居士」と誌されています。

養寿院のアクセス

養寿院の所在地は「埼玉県川越市元町2丁目11-1」です。

菓子屋横丁や一番街などの観光スポットから近い場所にあり、川越散策の際にも気軽に立ち寄りやすいです。

西武新宿線「本川越駅」徒歩14分

東武東上線・JR埼京線「川越駅」東口徒歩25分

バス停「E14:蔵の街」または「E15:菓子屋横丁」より徒歩2分

養寿院は各駅から離れていますので、公共交通機関で訪れる際は「小江戸巡回バス」の利用がおすすめです。

川越 養寿院

養寿院の入口の風景です。

旧城下内では通りから望む横道の突き当たりがお寺となることが多かったそうですが、この養寿院も道の突き当たりにあり、かつての城下町の基礎を築いた地の風格を漂わせています。

養寿院の駐車場・駐輪場

養寿院の駐駐輪場

養寿院には無料駐輪場がありましたので、自転車で参詣に訪れることができます。

しかし、駐車場は法要参列者専用の場所しか見つかりませんでした。そこで、近くのコインパーキングをご紹介します。

  • SANパーク川越末広町1
  • ECOパーク川越末広町1
  • ECOパーク川越末広町2

特にSANパークは平日上限600円と最大料金が決められており、土日祝も60分300円とリーズナブルでおすすめです。

養寿院:各種情報

施設情報 養寿院
住所 〒350-0062 埼玉県川越市元町2丁目11-1
電話番号 049-222-0846
料金 拝観無料
駐車場 なし
ウェブサイト 養寿院HP

まとめ

養寿院は、多数の文化財を所有しており、川越太郎重頼の墓など見どころがたくさんあるお寺です。

実際にお参りした時には、その700年以上の歴史を感じることができました。

ぜひ一度養寿院に訪れてみてください。