龍池弁財天

埼玉県ではおなじみのスーパーマーケット「ベルク 川越小仙波店」の近くに、弁財天が祀られています。

大きな池があって見つけやすいですが、駅から離れているのと目の前が車道であるため実際に訪れたという方は少ないかもしれません。

ですが、この龍池弁財天はなんとあの「喜多院」の起源の地であることをご存知でしょうか?

さらに、仙人と竜神の昔話が残されていたり、芭蕉ゆかりの地であったりなど、川越の歴史を残す大切な存在の一つとなっています!

この記事では、そんな龍池弁財天にまつわる歴史や見どころ、アクセス方法について解説しています。

龍池弁財天:施設概要

龍池弁財天

龍池弁財天は「双子池」「竜の池弁天」とも呼ばれ、「龍池辨財天」とも表記されます。

県道側の入口から入るとすぐに大きな池が見え、池の横に小さな祠があります。

龍池弁財天の歴史

龍池弁財天の伝説

龍池弁財天

龍池弁財天には、竜神と仙人の伝説が残されています。

はるかな昔、このあたりは、大きな入江(海)だったと云われています。
仙芳仙人がここを霊地(神聖な場所)と感じ、お寺を建てようとしましたが、適当な土地がありません。

ある日、仙芳仙人は、 この入江の主で竜神の化身である白髪の老人に会い、その老人にお寺を建てる土地を必要としていることを告げると、老人は、袈裟を差し出し、この袋裟のひろがっただけの土地を授けようと言いました。そこで仙芳仙人が、その袋裟を投げると、みるみる袈裟は広がり大きな入江を覆ってしまいました。

竜神は驚き、自分の住む所が無くなってしまうと嘆いたので、竜神のために小さな池を残して辨財天をまつりました。それがこの辨天池と云われています。

(龍池弁財天 看板より)

「埼玉県に海?」と思われるかもしれませんが、縄文時代には東京湾の入り江がこの付近まで来ており、その証拠として貝塚や遺跡などが残っています。

龍池弁財天

県道対面にある階段は、およそ7000年前に存在した「海岸段丘」の証拠を残す貴重な跡地の一つなのです。

またこの伝説から、「仙人」と入り江の「波」にちなんで「仙波」という地名がついたと言い伝えられています。

喜多院との関係

喜多院

伝説の中で仙芳仙人が建立した寺が、現在の喜多院だといわれています。

とても小さな弁財天ですが、あの喜多院とこのような関係があったとは驚きですね。

龍池弁財天の見どころ

龍池弁財天

龍池弁財天

池の隣に鳥居の名残のような入口と、小さな祠があります。

祠の扉には鍵がかけられており中を確認することはできませんが、祠の前に龍神様をかたどった小さな石像や、お供え物などが置いてありました。

龍神の伝説や海岸段丘についての看板も設置されているのでぜひ確認してみましょう。

弁天池

弁天池

龍池弁財天は、喜多院七不思議の一つ「底なしの穴」にもゆかりのある池です。

昔、日枝神社の底なしの穴に投げ込んだものが、500メートルほど離れたこの弁天池に浮かんできたという不思議な現象が起こったそうです。

龍池弁財天のお守り・御朱印

龍池弁財天には社務所が存在しないため、お守りや御朱印は取り扱いがありません。

龍池弁財天:アクセス

本川越駅より徒歩22分
川越駅より徒歩20分

西武バス「小仙波町四丁目」より徒歩3分
西武バス「仙波下」より徒歩4分

龍池弁財天:各種情報

施設情報 龍池弁財天
住所 埼玉県川越市小仙波町4-16
料金 無料
営業時間 自由
営業期間 年中無休
駐車場 なし

まとめ

龍池弁財天は小さく見逃されがちな場所にありますが、川越の歴史を後世に残す貴重な場所です。

近くまで訪れた際は、ぜひ龍池弁財天も立ち寄ってみてください!